代表的な攻撃手法 — 気をつけるべき種類の地図

概要 — まず全体をつかむ

初級では「入口3つ・力技1つ」で種類の地図を持ちました。中級では、分類の軸・既知と未知・攻撃の段取りまで踏み込みます。

詳細 — 1段階ずつ追う

主な手法の一覧

まず、手法は目的や入口で大きく4系統に分けて捉えると整理できます。

  • マルウェア — 悪意あるプログラムで盗む・壊す・乗っ取る(ウイルス・ランサム等)
  • 人をだます攻撃(ソーシャルエンジニアリング) — フィッシング・なりすまし。技術でなく人の判断を突く
  • 不正アクセス・侵入 — 弱い認証・脆弱性・設定ミスを突いて入り込む
  • サービス妨害(DoS/DDoS) — 大量アクセスや細工でサービスを止める
アニメーション『代表的な攻撃手法の地図』を開く
攻撃手法の地図まず“どんな種類があるか”の地図を持つ。詳しい手口と防ぎ方は各記事で。🦠マルウェア勝手に動く悪いプログラムウイルスランサムウェア🎭人をだます技術でなく心のスキを突くフィッシングなりすまし🔓不正アクセス・侵入弱点を突いて入り込む脆弱性の悪用弱いパスワード🌊サービス妨害大量アクセスで止めるDoSDDoS実際の攻撃は、これらを組み合わせてくる。
やさしく言うと(初級
  • マルウェア — 勝手に動く悪いプログラム(ウイルス・ランサムウェア等)
  • 人をだます攻撃 — フィッシング・なりすまし・詐欺(技術でなく心のスキ)
  • 不正アクセス・侵入 — 弱いパスワード・脆弱性・設定ミスを突いて入り込む
  • サービス妨害(DoS/DDoS) — 大量アクセスでサービスを止める
アニメーション『代表的な攻撃手法の地図』を開く
攻撃手法の地図まず“どんな種類があるか”の地図を持つ。詳しい手口と防ぎ方は各記事で。🦠マルウェア勝手に動く悪いプログラムウイルスランサムウェア🎭人をだます技術でなく心のスキを突くフィッシングなりすまし🔓不正アクセス・侵入弱点を突いて入り込む脆弱性の悪用弱いパスワード🌊サービス妨害大量アクセスで止めるDoSDDoS実際の攻撃は、これらを組み合わせてくる。

標的型か、ばらまきか

同じ手口でも、狙い方で性質が変わります。

  • ばらまき型(無差別) — 不特定多数へ大量送付。数打てば当たる方式
  • 標的型 — 特定の組織や人を選び、偵察して手口を作り込む。取引先や業務を装い、気づきにくい

既知の穴と、未知の穴

侵入に使われる脆弱性には、対処のしやすさで差があります。

  • 既知の脆弱性 — 公開されCVEで識別され、パッチが出ているもの。放置が最大の入口
  • ゼロデイ — 修正が出る前の未知の穴。署名頼みでは防ぎにくく、振る舞い検知や多層防御が要る
この部分をもっと深く(上級

侵入に使う脆弱性は「対処のしやすさ」で大きく分かれます。上級では、その深刻度をどう測り、どう優先順位をつけるかまで踏み込みます。

  • CVE — 個々の脆弱性に振られる識別番号。世界共通のカタログ番号で「どの穴の話か」を一意に指す
  • CVSS — その脆弱性の深刻度を0〜10で標準化したスコア。攻撃のしやすさや影響の大きさから算出し、パッチを当てる優先順位の根拠にする
  • ゼロデイ — 修正が出る前(0日目)の未知の穴。CVE番号もCVSSスコアも付く前に突かれるため、署名頼みでは防ぎにくい

だから脆弱性管理は「CVEで穴を把握し、CVSSで優先度を決め、重要なものから塞ぐ」という運用になります。放置された既知の穴が、依然として最大の入口です。

組み合わせて来る(段階を踏む)

実際の攻撃は単発でなく、これらをつなげて段階的に進みます。この段取りはキルチェーンMITRE ATT&CKとして体系化されています(正式なキルチェーンは7段階。ここでは簡略化した流れ)。

  1. 偵察 — 標的を調べる
  2. 侵入 — フィッシングや脆弱性で入り込む
  3. 拡大 — 内部で権限を上げ、横に広げる
  4. 目的遂行 — 情報窃取・暗号化・破壊

だから「1つ防げば安心」ではなく、各段階で気づき・止める発想が要ります。

この部分をもっと深く(上級

中級では4段に簡略化しましたが、正式なキルチェーンは7段階です。攻撃を「一撃」ではなく「連鎖」として見ることが、断ち方を考える出発点になります。

  1. 偵察 — 標的の公開情報・人・システムを調べる
  2. 武器化 — 脆弱性を突く仕掛けとマルウェアを組み合わせて武器を作る
  3. 配送 — メール添付・改ざんサイト・USBなどで届ける
  4. 攻撃(エクスプロイト) — 届いた仕掛けが脆弱性を突いて動き出す
  5. インストール — 端末に居座るための本体を仕込む
  6. C2(指令サーバ)※1 — 外部の指令サーバとつながり、遠隔操作を受ける
  7. 目的遂行 — 情報窃取・暗号化・破壊など本来の目的を達する

この時間軸に対し、MITRE ATT&CKは「各段で実際に観測された手口」を体系化したナレッジベースです。戦術(Tactics=何のために)・技術(Techniques=どうやって)・手順(Procedures=具体的な実行)をまとめて TTP※2 と呼びます。

アニメーション『攻撃の段階』を開く
攻撃は段階を踏む左から右へ順に進む。どこか一段で検知・遮断できれば、被害を止められる。1偵察狙いを調べる・情報収集🛡 ここで止める公開情報を絞る不審なアクセスを監視2初期侵入フィッシング・脆弱性で入り込む🛡 ここで止めるパッチメール対策多要素認証3権限昇格・横展開内部で広がり・強い権限を奪う🛡 ここで止める最小権限内部の分離・監視4目的遂行情報窃取・暗号化・破壊🛡 ここで止めるバックアップ持ち出し検知即対応一撃ではなく順に進む。各段で止める=多層防御。

キルチェーンが時間の流れなら、ATT&CKは各段で使われる具体的な手口のカタログ。両者を重ねると「今どの段で、どんな手口を使われているか」を言葉にできます。

登場人物メモ:

  • ※1 C2(Command and Control)— 乗っ取った端末に指令を送り、盗んだ情報を受け取る攻撃者側のサーバ
  • ※2 TTP(Tactics・Techniques・Procedures)— 攻撃者の「狙い・やり方・具体手順」をまとめた見方。攻撃者ごとの癖(指紋)にもなる
やさしく言うと(初級

実際の攻撃は、これらをつなげてきます。例えば:

  1. フィッシングメールで、
  2. マルウェアを開かせ、
  3. それを足がかりに侵入して情報を盗む

だから「1つ防げば安心」ではなく、各段階で気づき・止められるように備えます。

⚠️ 見取り図として

  • まず地図を持つ — どの系統・どの段階の話かを見分ける
  • 各段で検知・遮断=多層防御 — 一点突破を許さない構え
  • 目的で分ける — 盗む/壊す・止める/踏み台にする
  • どの記事も「どんな手口か」と「どう防ぐか」をセットで押さえるのが近道
この部分をもっと深く(上級
  • 一段で止めれば連鎖が切れる — 偵察で全部止めるのは無理でも、配送・攻撃・C2・目的遂行のどこかで気づければ被害を止められる。これが多層防御の考え方
  • 段ごとの守り — 偵察には公開情報の管理、配送にはメール対策、攻撃にはパッチ、C2には通信監視、目的遂行には持ち出し検知とバックアップ
  • 未知には振る舞いで — ゼロデイ・living-off-the-landは署名で捕れない。挙動から異常を捉える構えが要る
  • 仕込まれる中身は マルウェア、入口の詳細は 不正アクセス・侵入、攻防の変遷は 攻撃と防御の歴史 で深めるとつながる
やさしく言うと(初級
  • 目的で分ける — 盗む(情報・お金)/壊す・止める(DoS・ランサム)/踏み台にする
  • 入口で分ける — 技術/人/力技
  • どの記事も「どんな手口か」と「どう防ぐか」をセットで押さえるのが近道

関連する知識

理解度チェック

そのまま解けます(成績は保存されません)。無料アカウントを作ると、学習の記録と進捗の山登りが始まります。

1. 特定の組織や個人を狙い、下調べをして手口を作り込む攻撃の呼び方に近いのは?

2. 世に知られておらず、修正パッチもまだ存在しない脆弱性を突く攻撃を指すのは?

3. 各段階で検知・遮断し、一点突破を許さない防御の考え方を漢字4文字で答えてください。

4. サービス妨害(DoS/DDoS)攻撃の主な目的として最も適切なのは?

5. 本文で「侵入の最大の入口」とされているのはどれ?

6. 「人をだます攻撃(ソーシャルエンジニアリング)」の本質として正しいのは?

7. 本文が挙げる攻撃の段階的な流れの順として正しいのは?

8. 既知の脆弱性に世界共通で振られる識別子を英字3文字で答えてください。