CDN — 利用者の近くから配る係

概要 — まず全体をつかむ

同じ画像を、東京の人にもロンドンの人にも速く届けたい。そのために、世界中に「近くの倉庫」を置いておくのがCDNです。

詳細 — 1段階ずつ追う

これは何をする係?

CDNは、世界中に分散した“利用者の近くの倉庫”(※1 エッジ)の集まり。画像・CSS・JSなど変わらないもののコピーを各地に置き、利用者に一番近い倉庫から配ります。

世界地図上に分散した拠点
CDN — 世界中に散らばる配達拠点

大事なのは「1台の独立したサーバ」ではなく、たくさんの拠点に同じものが並んでいる層だということ。

登場人物メモ:

  • ※1 エッジ — 利用者の近くにある配信拠点。世界中にたくさんある
  • ※2 オリジン — 大元のサーバ(あなたのサービス本体)。エッジに無いときの取り寄せ先
この部分をもっと深く(中級

CDNは、地理的に分散したエッジ拠点(PoP) のキャッシュ網です。要点は「何をキーに、いつまで、どう更新するか」。

  • キャッシュキー — URLなどを鍵に、コピーを出し入れする
  • TTL(有効期限) — その期間はエッジのコピーを新鮮とみなす
  • オリジン — 大元。miss時やTTL切れ時に取りに行く先
アニメーション『CDNのエッジ配信』を開く
オリジン(大元)世界に1つ・全部の元無ければオリジンへ取りに行く(miss)エッジ拠点アジアコピー有 hit利用者最寄りから受け取るエッジ拠点ヨーロッパコピー有 hit利用者最寄りから受け取るエッジ拠点北米コピー有 hit利用者最寄りから受け取るエッジ拠点南米コピー無 miss利用者最寄りから受け取る世界中の拠点に控えを置き、利用者の近くから配る(近い=速い)

登場人物メモ:

  • ※1 cache hit/miss — エッジにある(hit)/無くてオリジンへ(miss)
  • ※2 パージ — エッジのコピーを強制的に無効化する操作

仕事の流れ

  1. ブラウザが画像などをお願いする
  2. 一番近いエッジに、そのコピーがあるか見る
  3. あれば即返す(cache hit・速い)
  4. 無ければオリジンから取り寄せて配り、ついでにエッジに保存する(cache miss)
  5. 次からは、その地域の人にはエッジから即返せる
この部分をもっと深く(中級
  1. リクエストのキャッシュキーで、エッジにコピーがあるか確認
  2. hit かつ TTL 内 ならそのまま返す
  3. miss/TTL切れ ならオリジンへ。条件付きリクエストで「変わってなければそのまま」を確認することも
  4. 取得したものをTTL付きでエッジに保存し、次に備える
アニメーション『エッジ配信の地理(近い=速い)』を開く
エッジ配信の地理 — 近い=速いエッジ拠点アジア利用者最寄りからエッジ拠点ヨーロッパ利用者最寄りからエッジ拠点北米利用者最寄りからエッジ拠点オセアニア利用者最寄りからオリジン(大元)世界に1つ・全部の元各地の拠点に控えを配り、利用者は最寄りエッジから受け取る(距離が短い=速い)

なぜ速く・強くなる?

  • 速い — 物理的に近い=往復が短い
  • 軽い — 静的なものをエッジが肩代わりし、オリジンの負荷が下がる
  • 強い — アクセスが世界中の拠点に分散するので、一点に集中しない

だから「変わらないもの」はCDN、「その人だけ・刻々と変わるもの」はオリジン、と役割を分けます。

この部分をもっと深く(中級
  • Cache-Control ヘッダ — キャッシュ可否や期間をオリジンが指示する(max-age など)。private は共有キャッシュ禁止(個人向け応答に付ける)、public は共有可、s-maxage は共有キャッシュ用のTTLを別に指定する
  • ETag/If-None-Match — TTL切れ時、内容の識別子(ETag)を If-None-Match で送って問い合わせ、変わっていなければ 304(Not Modified)で本体を取り直さず、エッジのコピーを使い続ける
  • バージョニング — 内容が変わったらファイル名(URL)を変える。古い版と衝突しない定石
  • パージ/即時無効化 — 緊急時にエッジのコピーを消す
  • 静的と動的 — 変わらないものは長めのTTL、動的なものは短いか非キャッシュ。近年はエッジで軽い処理をする方式もある

⚠️ うまくいかないとき

  • 更新が反映されない — 古いコピーがエッジに残っている(期限切れ or 手動でパージが必要)
  • キャッシュされない — 個人向け・動的なものは基本キャッシュできず、速さの恩恵が薄い
この部分をもっと深く(中級
  • stale(古いまま) — TTLが長すぎ/パージ漏れで、更新が届かない
  • hit率が低い — キャッシュキーが細かすぎる(クエリ違いで別扱い)などで、ほとんどmiss
  • 個人情報の誤キャッシュ — 個人向けの応答を誤って共有キャッシュに載せてしまう(他人に見える事故。攻撃の「キャッシュ汚染/ポイズニング」とは別物)。防ぐ鍵は Cache-Control: private を付け、共有キャッシュに載せないこと

理解度チェック

そのまま解けます(成績は保存されません)。無料アカウントを作ると、学習の記録と進捗の山登りが始まります。

1. CDNが配るのに向いているのはどれ?

2. CDNが速い一番の理由に近いのは?

3. エッジに残った古いコピーを、強制的に消す操作を何という(カタカナまたは英語)?

4. CDNの「オリジン」とは何?

5. 近くのエッジに欲しいコピーが無い(cache miss)とき、どうなる?

6. CDNが「強い(一点に集中しにくい)」といえる理由は?

7. CDNで「更新したのに古いままが表示される」原因に近いのは?

8. 利用者の近くにあって、コピーを配る配信拠点を、CDNでは何と呼ぶ(カタカナまたは英語)?