Git — 変更履歴を記録して、いつでも戻れる

概要 — まず全体をつかむ

作ったファイルを安全に育てる土台が、変更履歴を記録する=Gitです。

詳細 — 1段階ずつ追う

これは何をする係?

Gitは、ファイルの変更の履歴を記録する道具(※1 バージョン管理)です。ゲームのセーブポイントを何度でも作れて、いつでも好きな地点に戻れるイメージ。

記録した1つ1つの地点は※2 リポジトリという「作業場所ぜんぶの記録箱」にたまっていきます。上書きで前が消えるのではなく、過去の状態がそのまま残るのが肝です。

登場人物メモ:

  • ※1 バージョン管理 — 変更の履歴を記録し、前の状態に戻せるようにする仕組み
  • ※2 リポジトリ — ファイルと、その全履歴を保管する箱
この部分をもっと深く(中級

1回の記録=コミットは、その時点のスナップショット(※1 作業場所を丸ごと写した1枚)です。差分だけでなく「その瞬間の全体像」を指し示し、各コミットは1つ前の親コミットを覚えています。

だから履歴はスナップショットの連なりになります。連なりをたどれば必ず過去の完全な状態に戻れる——これが「安全」の正体です。1点でも独立して残っているので、途中が壊れても後ろの記録は無傷です。

登場人物メモ:

  • ※1 スナップショット — その時点のファイル全体を写した記録の1枚
  • ※2 HEAD — 「いま自分が見ている/作業している位置」を指す目印
  • ※3 リモート — GitHub などの共有先。手元の履歴を送受信する相手

仕事の流れ

  1. ファイルを編集する(いつも通り書く)
  2. きりのいいところで記録する(=コミット。「ここまでできた」の目印)
  3. さらに編集して、また記録する…を繰り返す
  4. まずくなったら、前の記録に戻す

こうして「セーブ→編集→セーブ」を積み重ねると、作業のすべての節目が残ります。

この部分をもっと深く(中級
  1. 変更をステージに載せる(記録する範囲を選ぶ)
  2. コミットする(スナップショットを1枚作る)
  3. 手元の履歴をリモートへ push(共有先へ送る)
  4. 他の人の変更をpull(共有先から取り込む)
  5. 枝ができたらマージで本流へ統合する

下の図は、手元での記録(add→commit)から共有先とのやり取り(push→pull)までを1手ずつ追ったものです。

アニメーション『Gitの流れ(add→commit→push)』を開く
作業ツリーステージローカルリポジトリリモート
  • 作業ツリーいま編集している手元のファイル群。ここでの変更はまだ記録されていない
  • ステージ次のコミットに含める変更を並べる控えの場(index)
  • ローカルリポジトリ手元にある履歴の本体。コミット(スナップショット)が積まれていく
  • リモートGitHub などの共有先。仲間と履歴をやり取りする相手
「▶ 再生」で通しで見るか、「次へ」で1手ずつ進めてください。
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なぜ嬉しいのか

  • 消えない — 記録した地点はずっと残る(うっかり上書きで泣かない)
  • 戻れる — おかしくなっても、動いていた地点にすぐ戻せる
  • たどれる — 誰がいつ何を変えたか、履歴で分かる
  • 試せる — 本番を壊さず、枝分かれさせて実験できる

1人でも「戻れる安心」が大きく、複数人ならなおさら効いてきます。

この部分をもっと深く(中級
  • リモート — GitHub 等の共有先。push で送り、pull で受け取る。手元にも全履歴があるので、共有先が落ちても作業は続く
  • プルリクエスト — 「この枝をmainに入れたい」というレビュー依頼の形(サービス側の機能)
  • コンフリクト — 同じ箇所を別々に変えた枝を統合すると衝突する。Gitはどちらを採るか決められないので、人が見て解消する

このコミット履歴の安定性が、変更のたびに自動でテスト・デプロイする自動化CI/CD など)の土台になります。「いつでも戻せる記録」があるからこそ、機械に任せて素早く回せます。

⚠️ うまくいかないとき

  • 記録し忘れ — コミットしていない変更は履歴に残らず、戻れない
  • 記録が大きすぎる — 一度にまとめて記録すると、どこで壊れたか分かりにくい(こまめに)
  • 同じ所を同時に変更 — 複数人が同じ行を別々に直すと、あとで衝突が起きる(中級で扱う「コンフリクト」)

しくみの続き(コミット・ブランチ・マージ)は中級で。翻訳の話とセットで読むならプログラムが動くまでもどうぞ。

この部分をもっと深く(中級
  • コンフリクト解消のミス — 衝突を雑に消すと、必要な変更まで捨ててしまう
  • 巨大なコミット — まとめすぎると、どの変更が原因か切り分けられない
  • push し忘れ/pull し忘れ — 手元と共有先がずれ、あとで衝突が増える
  • 秘密情報のコミット — パスワード等を記録すると履歴に残り続ける(消しても過去に残る)

土台のしくみが気になったらプログラムが動くまでや、実行環境を箱で運ぶDockerもあわせてどうぞ。

理解度チェック

そのまま解けます(成績は保存されません)。無料アカウントを作ると、学習の記録と進捗の山登りが始まります。

1. Gitがあると何が嬉しい?

2. Gitを一言でいうと?

3. Gitでいう「コミット」に最も近いのは?

4. ファイルと、その全履歴を保管しておく「箱」を何と呼ぶ?

5. Gitで記録すると、上書きで前が消える普通の保存と何が違う?

6. 「コミットしていない変更」はどうなる?

7. きりのいいところで「ここまでできた」と1つ記録することを、カタカナで何と呼ぶか答えてください。

8. 複数人が同じ行を別々に直したとき、あとで起きる「衝突」をカタカナで何と呼ぶか答えてください。