インターネットは1台の巨大コンピュータでも、どこかの会社の持ち物でもありません。正体は、世界中の無数のネットワークを相互につないだものです。 あなたの家の Wi-Fi につながった機器たちは、それだけで小さなネットワークです。会社にも、大学にも、通信会社にも、それぞれのネットワークがある。それらを「お互いに乗り入れOK」というルールでつなぎ合わせた全体を、インターネット(inter = 相互の + net = 網)と呼びます。中心はどこにもなく、それでも全体として動く——ここがインターネットの一番面白いところです。
あなたがスマホで Web ページを開くと、裏ではこんなバケツリレーが起きています。 スマホがリクエスト(「このページをください」というデータ)を家のルーターに渡す ルーターは契約しているプロバイダ(ISP)の網に渡す プロバイダ網から先は、ルーターと呼ばれる中継機器が何台も「宛先ならこっちだ」とデータを次々に転送していく 海外のサーバなら海底ケーブルを通って大陸を渡ることも 相手のサーバに届くと、今度はページのデータが同じ道のりを逆向きに帰ってくる この間、わずか0.1秒ほど。実感はありませんが、あなたの「いいね」は光の速さで地球を走っています。
バケツリレーが成立するには「宛先」が必要です。その役割を果たすのが IPアドレス — インターネット上の住所です。 すべての機器は通信するとき 203.0.113.42 のような番号を持ちます。データには「宛先IPアドレス」と「差出人IPアドレス」が書かれていて、途中のルーターはこの宛先を見て転送先を決めます。郵便配達員が住所を見て手紙を運ぶのと同じ仕組みです。 「でも私は住所じゃなくて google.com って打ってるけど?」——いい質問です。その名前を住所(IPアドレス)に変換してくれる電話帳のような仕組みが DNS で、これは次のステージで登場します。