モバイル回線(4G・5G)— 電磁波で基地局へ

概要 — まず全体をつかむ

初級ではモバイルを「電波→基地局→キャリア網」と捉えました。中級では、網の構造と世代の違いを見ます。

詳細 — 1段階ずつ追う

網は「無線」と「コア」に分かれる

モバイル網は、大きく2つの部分で成り立ちます。

  • 無線アクセス網(RAN) — 端末と基地局の間の無線区間。電波(電磁波)でやり取り
  • コアネットワーク — 中核網。具体的には加入者認証(正規の契約か)・セッション確立(通信路の開設と維持)・課金(使った量の記録)・インターネットゲートウェイ(外の網への出口)を担う

登場人物メモ:

  • ※1 SIM — 加入者を識別・認証するための情報。加入者番号(IMSI)で「誰の契約か」を確かめる
  • ※2 セル — 1つの基地局がカバーする区画。面で覆うために多数配置
この部分をもっと深く(上級

モバイル網は「無線アクセス(RAN)」と「コア」に分かれ、5Gでは大きく進化しました。

  • NSA/SA — 4G設備を使う非独立型と、5G単独型
  • gNB(5G基地局)+5GC(5Gコア) — 制御とデータの分離、クラウドネイティブ化
  • ネットワークスライシング — 用途別に仮想網を切り分け、品質を保証
やさしく言うと(初級

スマホの電波が、街中に立つ基地局(※1 アンテナ)電磁波で届き、そこから通信会社の網(※2 キャリア網)を通って、インターネットへ出ます。

携帯基地局
基地局 — スマホの電波を受ける

大事なのは、家のルーターを一切通らないこと。家のWi-Fiとは独立した、もう1つの道です。

登場人物メモ:

  • ※1 基地局 — 街中に多数あるアンテナ。スマホの電波を受ける最初の窓口
  • ※2 キャリア網 — 通信会社(キャリア)の内部ネットワーク

通信の流れ

  1. スマホが基地局と無線でつながる(SIMで加入者認証)
  2. 基地局からコアネットワーク
  3. コア網が経路や課金を管理し、インターネットへ橋渡し
  4. 移動時は近い基地局へハンドオーバー
アニメーション『セル間ハンドオーバー』を開く
セル間ハンドオーバー — 移動しても通信を切らさない電波の強さ基地局Aの電波基地局Bの電波切替点セルA(基地局A)セルB(基地局B)① Aと通信中② 引き継ぎ③ Bと通信中Aの電波が弱まる前に、Bへ通信を引き継ぐだから移動中でも通話やデータが途切れない(=ハンドオーバー)
この部分をもっと深く(上級
  1. 端末が gNB と無線接続(ビームフォーミング/MIMO
  2. SIM/eSIM による加入者認証(AKA)
  3. 5GC がセッション確立・経路・課金を管理
  4. データ網(インターネット)へ橋渡し
  5. 移動時はハンドオーバーで近い基地局へ
やさしく言うと(初級
  1. スマホが電波(電磁波) を出す
  2. 一番近い基地局が受け取る
  3. キャリア網を通ってまとめられる
  4. インターネットへ出て、相手のサーバへ
アニメーション『モバイル回線(端末→基地局→コア網)』を開く
📡 無線(電波)🔌 有線(光ファイバ)スマホ手元の端末基地局街中のアンテナコアネットワーク認証・課金・ゲートウェイインターネット相手のサーバへここだけ電波スマホと基地局の間だけ電波。基地局から先は光ファイバの有線でつながっている。

世代と設計

  • 4G(LTE) — 高速データ通信を一般化。動画視聴などが快適に
  • 5G — さらに高速・低遅延・多接続。IoTや高精細映像、産業用途へ
  • セル設計 — 電波の周波数が高いほど速いが届きにくく、基地局を密に置く
  • キャリアグレードNAT — 多数の加入者を、限られたグローバルIPで束ねる
この部分をもっと深く(上級
  • 周波数 — Sub-6(届きやすい)とミリ波(高速だが遮蔽に弱い)
  • MEC(エッジ) — コアの手前で処理し、低遅延を実現
  • VoLTE/IMS — 音声もデータ網の上で
  • CGNAT — 多数の加入者を限られたグローバルIPで束ねる
やさしく言うと(初級
  • ハンドオーバー — 移動すると、より近い基地局へ自動で接続を引き継ぐ
  • セル(区画) — 街を基地局のカバー範囲で細かく区切り、面で覆う
  • 4Gと5G — 5Gはより高速・低遅延・多接続。用途が広がる

だから電車で移動しても、通信は途切れにくいのです。

⚠️ うまくいかないとき

  • 電波・遮蔽 — 周波数が高い5Gは、壁や距離に弱い面がある
  • 輻輳(混雑) — 同一セルに人が集中すると速度低下
  • ローミング — 海外では提携事業者の網を借りる(設定・料金に注意)
この部分をもっと深く(上級
  • ミリ波の遮蔽 — 壁・体・雨で急に弱まる。基地局を密に
  • 輻輳 — 人が集中するセルで速度低下
  • ローミング/課金 — 海外は提携網、料金と設定に注意
  • CGNAT越え — 外から直接つなぐP2Pが難しい
  • 電池消費 — 電波が弱いほど送信出力が上がり消耗
やさしく言うと(初級
  • 圏外 — 近くに基地局が無い、電波が届かない(山間部・地下)
  • 混雑 — イベント会場など、多くの人が同時に使うと遅くなる
  • 速度制限 — 使用量が上限を超えると、速度が絞られる

関連する知識

理解度チェック

そのまま解けます(成績は保存されません)。無料アカウントを作ると、学習の記録と進捗の山登りが始まります。

1. SIMが「誰の契約か」を確かめるために使う加入者番号を、本文は何と呼ぶ?

2. 本文でいう「セル」の説明として正しいのは?

3. 本文のセル設計で、電波の周波数と性質の関係として正しいのは?

4. 5Gが4Gに対して特に強化された点として正しいのは?

5. モバイル網を大きく2つに分けると、「基地局との無線区間」と、もう一方は?

6. 本文が挙げる「キャリアグレードNAT(CGNAT)」の役割は?

7. 移動時に、より近い基地局へ自動で接続を引き継ぐことを何と呼ぶか答えてください。

8. 高速データ通信を一般化した4Gの通信規格の通称を、英字3文字で答えてください。