オンプレミス — サーバを自分で持って動かす

概要 — まず全体をつかむ

初級ではオンプレを「自分の家に機械を置く」と捉えました。中級では、費用の性質・設計・運用を見ます。

詳細 — 1段階ずつ追う

これは何をする係?

オンプレは、ハードウェアからネットワーク、電源まで自分たちで設計・保有・運用します。

  • データセンター/ラック — サーバを収める場所と棚
  • 電源・空調の冗長化 — 止まらないよう二重化する
  • ネットワーク設計 — 回線・スイッチ・ファイアウォール
  • 資産管理 — 何がどこにあり、いつ更新するか

登場人物メモ:

  • ※1 CapEx/OpEx — 初期の設備投資/継続する運用費用
  • ※2 キャパシティプランニング — 将来の需要を見積もって用意する作業
アニメーション『どこまで自分が管理するか(オンプレ/IaaS/PaaS)』を開く
どこまで自分が管理するか自社で管理事業者(クラウド)が管理アプリミドルウェアOSネットワークハードウェア電源・空調↑ アプリ側 / 土台 ↓オンプレミス全部を自社で自社が管理自社が管理自社が管理自社が管理自社が管理自社が管理IaaS土台を借りる自社が管理自社が管理自社が管理事業者が管理事業者が管理事業者が管理PaaS実行環境まで借りる自社が管理事業者が管理事業者が管理事業者が管理事業者が管理事業者が管理オンプレは電源・空調からアプリまで全部が自社の責任クラウド(IaaS→PaaS)に進むほど、下の層から事業者に任せられる
この部分をもっと深く(上級
  • 電源 — UPS(瞬断対策)+自家発電。二重化した給電経路
  • 冷却 — 空調・外気・液冷。効率はPUEで測る
  • ラック/ToR — サーバを収める棚と、その上のスイッチ
  • 物理セキュリティ — 入退室・監視
やさしく言うと(初級

自分の家に機械を置くイメージです。サーバ(コンピュータ)を買ってきて、自社の施設(※1 データセンターや自社の部屋)に設置し、電源・空調・回線をつないで動かします。

自社サーバ室
オンプレミス — 自分で持って動かす

管理はすべて自分たち。強みでもあり、負担でもあります。

登場人物メモ:

  • ※1 データセンター — サーバを安全に置くための、電源・空調・回線が整った施設

仕事の流れ

  1. 需要を見積もる(キャパシティプランニング)
  2. 機材を調達・設置し、冗長構成を組む
  3. OS・ミドルウェア・監視を整える
  4. 運用(障害対応・保守・更新・セキュリティパッチ)
この部分をもっと深く(上級
  1. 冗長設計 — N+1(予備1台)/2N(全二重)。単一障害点をなくす
  2. 仮想化 — ハイパーバイザで物理を集約し、稼働率を上げる
  3. ストレージ — SAN/NAS/分散ストレージ
  4. ネットワーク — スパイン-リーフで内部帯域を確保
やさしく言うと(初級
  1. 必要なサーバを見積もって買う
  2. 置き場所を用意する(電源・空調・ネットワーク)
  3. 設置して、OSやソフトを入れる
  4. 運用する(故障対応・部品交換・更新・監視)

設計の勘所

  • CapEx中心 — 先にまとまった投資。減価償却で数年かけて使う
  • キャパシティ — ピークに合わせると余り、平常に合わせると足りない
  • 可用性設計 — 電源・回線・機器の冗長化、災害対策(BCP)
  • ハイブリッド — 一部をクラウドに逃がして弱点を補う構成も一般的
  • 仮想化による集約 — 1台の物理を分割し、複数を同居させて稼働率を上げる
  • TCO(総所有コスト) — 機材価格だけでなく電気・空調・人件費・保守まで含めて比較する軸
  • 調達リードタイム — 発注から設置まで数週〜数ヶ月かかり、キャパシティ計画を難しくする
この部分をもっと深く(上級
  • キャパシティと調達 — 機材のリードタイムを見越した計画
  • ライフサイクル — 保守・パッチ・数年での入れ替え
  • ハイブリッド — 繁忙期だけクラウドへ(クラウドバースト)
  • ゼロトラスト — 「社内網だから安全」を前提にしない
やさしく言うと(初級
  • メリット — すべて自分で管理できる/データが手元にある/長く大量に使うなら割安なことも
  • デメリット — 最初にまとまった費用がかかる/急な増減がしにくい/運用の人手が要る
アニメーション『オンプレミス vs クラウド』を開く
オンプレミス と クラウド — 持つか、借りるかオンプレミス(持つ)自社に機械を買って置く初期投資(CapEx)が大きい自分で運用故障対応・更新・監視も自前自由も責任も全部何でもできる=全部背負う増減しにくい機械を買い足すまで待つVSクラウド(借りる)借りて、使った分だけ払う☁ 共用の土台使った分だけ(OpEx)運用はお任せ土台の面倒は事業者が見る手軽・すぐ試せるただし決まりの中で使うすぐ増減できる混んだら増やし・減らせる「先に大きく買って自分で回す」か、「借りて使った分だけ・すぐ増減」か

「規模が読めて、長く安定して使う」ならオンプレが向くことがあります。

⚠️ うまくいかないとき

  • スケールの限界 — 急な増減に追随できない
  • 災害・障害 — 単一拠点だと止まる(複数拠点・バックアップで備える)
  • 保守負担 — 老朽化・パッチ・人員の確保が続く
この部分をもっと深く(上級
  • 単一障害点 — 電源・冷却・回線・拠点
  • DR(災害復旧) — 遠隔地の待機系、RPO/RTOの設計
  • スケール限界 — 急な増減に追随できない
  • 陳腐化 — 技術・機材の老朽化と、それに伴う運用負担
やさしく言うと(初級
  • 故障・災害 — 機械が壊れる、停電・地震などで止まる(備えが要る)
  • 容量不足 — 想定より混雑しても、すぐには増やせない
  • 陳腐化 — 買った機械が古くなる(数年で入れ替え)

関連する知識

理解度チェック

そのまま解けます(成績は保存されません)。無料アカウントを作ると、学習の記録と進捗の山登りが始まります。

1. 需要のピークに合わせてサーバを用意すると、オンプレで起きがちなのは?

2. オンプレミスの費用は、主にどちらの性質が強い?

3. 初期にまとまった設備投資をする費用の性質を 英字で何という?

4. TCO(総所有コスト)が指す範囲として最も適切なものはどれ?

5. オンプレの「調達リードタイム」がキャパシティ計画を難しくする理由はどれ?

6. オンプレの弱点を補うため 一部の処理をクラウドへ逃がして併用する構成を何と呼ぶ?

7. 1台の物理サーバを分割して複数を同居させ 稼働率を上げる手法はどれ?

8. 将来の需要を見積もって必要なサーバ量を用意する作業を何と呼ぶ?(カタカナ)